忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

文章修行家さんに40の短文描写お題

一度書いたお話がまるっと消えたけど書き直しましたそんなことはどうでもいい
こちらからお借りしました。基本ビリー→→→→←クライドなビリクラ。リルムママにのみクライドが別人

拍手



 01. 告白
「悪いが、俺は特別な女を作る気はない」哀しそうに去っていく村娘の背を見ながら、ビリーは小さく「そろそろここも潮時か」と呟いた。

 02. 嘘
「クライドなんて嫌いだーこの悪魔ー根暗ー」俺が言ってもクライドは少しも動揺しない。面白くないと思っていると、「誰がお前の嘘に騙されるか」と言われた。

 03. 卒業
酒卒業します。俺が声高らかに、実に大真面目に言うと、クライドは「半年前に同じセリフを聞いたぞ」と鼻で笑う。黙って頬を膨らました。

 04. 旅
二人で旅を初めて何年経ったかわからない。俺は「家でも建てるか?」と訊いた。するとクライドは、「必要ないだろ、宿にでも泊まれば」と言った。

    05. 学ぶ
殴られば痛いし罵倒されりゃあムカつく。短い人生で学んだことは沢山あるが、俺は文字も計算もできねえんだ。が、「胸を張って言うな」と怒られた。

  06. 電車
目を開くと列車の二人用シートに寝転んでいた。窓を見るとトンネル内なのか薄暗い。相棒の姿が見えず、俺は声を上げた。「クライド、どこだ?」

 07. ペット
「ペットが欲しい」俺がそう言うとクライドはため息混じりに言った。「犬猫は邪魔だし餌代がかかる。それにお前がいるから必要無い」

 08. 癖
クライドはよく腕を組んでいる。癖なのだろうか。するとクライドは呆れたように言った。「お前がよく俺の腕に腕を絡めてくるのは癖じゃないのか?」

 09. おとな
「おとなはなにしてもいいの?」酒は飲むなまだ早い、森へは行くな危ない、大人用の椅子は使いづらいだろうと言った俺に、娘が苛立たしげに言った。

 10. 食事
「炒飯が食べたい」「ほら炒飯」「どこの世界に握り飯に干し肉突っ込んだもんを炒飯と呼ぶ奴がいるんだよ」「ここに」「そうじゃなくて」

 11. 本
紙を捲る音だけが室内に響く。貴重な読書タイムに夢中のようで、じっと見つめる俺に気づく様子はない。なんだか面白くなくて、ふて寝した。

 12. 夢
呵呵と哄笑する悲鳴のようなそれを聞きながら飛び起きる。室内はぞっとするほど無音だ。頬を伝う汗をそのままに、夢の中でも自己主張が激しい元相棒に舌を打った。

 13. 女と女
「女ってこえーな」馴染みの酒場に入った途端踊り子の娘たちに囲まれたクライドを見守る。ビリーの周りにはむさくるしい親父しかいなかった。

 14. 手紙
手紙なんて一回しか書いたことねえ。そうぼやくと、クライドは意外そうに「書いたことがあるのか」と言った。お前宛だよ、馬鹿野郎。

 15. 信仰
ケフカの狂信者たちが宿す目が嫌いだった。まるで自分達の正気を疑っていないかのような、薄暗い純粋さが、反吐が出るくらい嫌いだった。

 16. 遊び
「どっか遊びに行こうぜ」「今はどこの国でも戦争中だぞ」「そうでした」「…命懸けの列車アトラクションはあるが」「お前からなんて珍しい」二人揃って不敵に笑う。

 17. 初体験
初めての殺しは15くらいだったな。ナイフでメッタ斬り…いや、絞殺?どっちにしろ殺した相手は生きてて俺の現相棒なんだけどな。

 18. 仕事
「クライドやべえ、靴紐解けた!」「ええい仕事中に緊張感のない!ナイフで切れ!」「ナイフどっかに落とした!」「馬鹿!!」

 19. 化粧
酒場の娘達の実験台にされたとかで、その日見たクライドは随分女性的な部分が強調されていた。薄い唇に引かれた赤いリップを見て、知らずに生唾を飲む。

 20. 怒り
ビリーは単純な性格だが、あれで怒りの沸点は高い。代わりに爆発すると手が負えなくて、そうなると流石の俺もご機嫌取りに忙しい。

 21. 神秘
なんの変哲もないポーションも、こうして眺めると神秘的だ。そんなことを考えていると瀕死寸前で息絶え絶えなクライドが「早く寄越せ」と言った。

 22. 噂
「あなたたちがビリーとクライド?」知らない町、知らない酒場で、知らない女が艶っぽく微笑む。女は二人をつま先から頭まで見ると、プッと吹き出して「噂通り仲良しなのね」と言った。

 23. 彼と彼女
「本当に彼女作ったことないの?」妻になったばかりの女が訝しげに問う。ビリーがいた頃は必要なかったからなと言うと、彼女は何故か複雑そうな表情を作った。

 24. 悲しみ
俺を想って泣く彼女に、今だかつてないほど優しく笑みを作ってやる。「俺は俺の過去を悲観したことはない。だから泣くな」

 25. 生
魔大陸から飛び降りたというのに生き延びてしまった。体は重いが死ぬ気は感じない。手元に残っていたポーションを飲み干し、体を起こした。

 26. 死
彼を逃がしてその身を置く。今にも落ちそうなあの瓦礫が落ちれば呆気無く圧死するだろう。さあビリーよ、お前を殺せなかった俺を殺してくれ。

 27. 芝居
「『おおマリアよ、私の声が聞こえるか?』」「…なんだそれは」「今流行ってんだぜ、オペラ『マリアとドラクゥ』」「……くだらん」

 28. 体
時々クライドを抱えて走り回ることがある。上背の割に軽いとはいっても流石に疲れる。普段なら羽のような軽さだっていうのによ。

 29. 感謝
「すまねえ嬢ちゃん、助かるぜ!」言って眼帯の人が頭を下げる。背中には茶髪の男の人。悪い人に追いかけられているらしいが、どう見てもこの人たちが悪人だ。

 30. イベント
「ジドールで祭りが開かれるらしいぜ」「なら花火もいるんじゃないか?」「ああ、そうだな、祭りにはでっけー花火があってこそだぜ」顔を見合わせて悪巧み。

 31. やわらかさ
「ああ柔らかくねえ」クライドの細い腰に抱きついて呟くと、後頭部に重たい一撃を食らった。「当たり前だろう」見下げる視線と頭が痛い。

 32. 痛み
クライドが他の人間と話していると非常に面白くない。胸が痛くなる上ムカムカする。嫉妬というのはわかっているが、そんな状態の自分がもっと腹立たしい。

 33. 好き
「あああ好きだ好きだ大好きだクライド」ビリーが唸りながら抱きついてくる。突き飛ばしたいが、そうするともっとうるさいので、黙って受け止めた。

 34. 今昔(いまむかし)
昔っからお前はなんもかんも変わってねえよな、とビリーが言うが、とんでもない。昔から俺に対する態度が変わらないのはアイツの方だった。

 35. 渇き
最近クライドが素っ気ない。いい加減泣きそうだったが、涙は一滴も出ない。当の昔に枯れてしまった。俺に愛情の雨を降らせてくれよ、クライド。

 36. 浪漫
「女は尻だろ」「また唐突に下世話な話を」「お前は何派?胸?尻?変化球で足?」「首」「デッドボール投げてきぞオイ」

 37. 季節
「ドマでは桜という花の木の下で酒を飲むらしい」「へえ、なんでまた」「…さあ」「花見てるより女見てる方が酒が進むと思うけどな」

 38. 別れ
クライドの姿はどこにも見えない。肺に血が溜まってるのか絶えず喉から赤い液体を吐き出す。こんな別れ方、未練残るに決まってんだろ。

 39. 欲
俺を見るビリーの目が欲塗れなのは今に始まったことではなく、むしろ当然とも思えるが、寝起きで体を触るのはいただけない。ナイフ出すと一目散に逃げていった。

 40. 贈り物
誕生日なんて知らないが、誕生日祝いに藍色のスカーフをあげた。すると翌日、クライドは俺に同色のバンダナをくれた。…買った店がバレているようだった。
PR

プロフィール

HN:
ヨーカ
HP:
性別:
女性
自己紹介:
オインゴが嫁でシャドウが愛人です

■連絡等はT│wit│terか拍手からお願いします

P R