巻き込まれるスタイル
シャドウ「俺は巻き込まれただけだ!」
マッシュ「シャドウったらツンデレ~」
シャドウ「黙れ!」
面倒事に自分から首を突っ込んで後悔するタイプのお人好しシャドウ氏。ギャグです
「これがバレンの滝か・・・」
屈強な体躯と精悍な面立ちの青年、マッシュが目前に迫る巨大な滝を見渡して呟いた。重力に忠実な大量の水は滝壺に向かって落下している。こんなところに飛び込めばひとたまりもないが、このバレンの滝を下らなければなならない。帝国に追われる身であるマッシュやカイエンからすれば、背に腹はかえられぬというやつだった。
「これより南は獣ケ原・・・凶悪な獣がいる危険な場所ですぞ」
カイエンが重々しい口振りで言うが、
「だが後戻りしても帝国軍が待ち受けてるぜ・・・」
と、マッシュが苦々しげに頭を振った。
「フム。獣ケ原を抜けることができれば東の海岸沿いにモブリズという村があるはずでござるが・・・」
カイエンが顎に手を置いて考え考え言う。ーーほぼ巻き込まれるような形でここまでついてきたシャドウは、しかしここから先はついていく気がないのか少々強引に切り出した。
「俺の役目は終わ、」
「それよりカイエンやべえよ、俺すげえ腹減った」
遮られた。
「ほ、本気で言っているでござるか?」
先ほど魔列車で豪華な食事を食べたからだろう。カイエンもよく物を食べる方だが、マッシュはそのカイエンの2倍近く食べていたのだ。ちなみにシャドウは食べるには食べていたが、肉類や魚類は全てインターセプターやマッシュに与えていた。
「うーん、俺昔から燃費悪いからなあ」
がっくりと肩を落とすマッシュを見ると哀れっぽさが滲み出ているような気がしてくる。シャドウはマッシュを白い目で見ながら、そういえば干し肉があった事を思い出した。これを置いてさっさとこいつ等と離脱しよう。
「俺の干し肉をやる」
「!!」
バッと光の速さで顔を上げるマッシュに一瞬慄きを感じつつシャドウは干し肉を差し出した。と、物凄い速さで干し肉が消える。その量およそシャドウの胃袋に換算して3日分である。
「ありがとうシャドウ!」
「あ、ああ。俺の役目は、」
「お礼したいから一緒に来てくれ!」
「は?」
シャドウはカイエンと共にマッシュに引きずられ、バレンの滝に落ちた。
■
水にもがきながらモンスターを倒し、流れ着いた獣々原でシャドウは無残にも濡れてしまった相棒を労わるように撫でた。生憎だが拭くものが無い故、自然乾燥しかない。溺れ死ななくてよかった。
「・・・それで、お前は?」
未だに気絶したまま起き上がらないマッシュとカイエンを助け出した不思議な少年。どこか人離れしているというか、獣然としているというか、形容し難い雰囲気を纏っている。少年はシャドウの言葉に目を丸くさせ、あたふたと両手をばたつかせたかと思うとどこかへ走り去ってしまった。
「・・・なんなんだ?」
「うっ・・・うう・・・」
「ここは・・・」
タイミングよくマッシュとカイエンの意識が戻ったようだ。シャドウはため息を吐いた。
結局ナルシェまでついて行っちゃう。
マッシュ「シャドウったらツンデレ~」
シャドウ「黙れ!」
面倒事に自分から首を突っ込んで後悔するタイプのお人好しシャドウ氏。ギャグです
「これがバレンの滝か・・・」
屈強な体躯と精悍な面立ちの青年、マッシュが目前に迫る巨大な滝を見渡して呟いた。重力に忠実な大量の水は滝壺に向かって落下している。こんなところに飛び込めばひとたまりもないが、このバレンの滝を下らなければなならない。帝国に追われる身であるマッシュやカイエンからすれば、背に腹はかえられぬというやつだった。
「これより南は獣ケ原・・・凶悪な獣がいる危険な場所ですぞ」
カイエンが重々しい口振りで言うが、
「だが後戻りしても帝国軍が待ち受けてるぜ・・・」
と、マッシュが苦々しげに頭を振った。
「フム。獣ケ原を抜けることができれば東の海岸沿いにモブリズという村があるはずでござるが・・・」
カイエンが顎に手を置いて考え考え言う。ーーほぼ巻き込まれるような形でここまでついてきたシャドウは、しかしここから先はついていく気がないのか少々強引に切り出した。
「俺の役目は終わ、」
「それよりカイエンやべえよ、俺すげえ腹減った」
遮られた。
「ほ、本気で言っているでござるか?」
先ほど魔列車で豪華な食事を食べたからだろう。カイエンもよく物を食べる方だが、マッシュはそのカイエンの2倍近く食べていたのだ。ちなみにシャドウは食べるには食べていたが、肉類や魚類は全てインターセプターやマッシュに与えていた。
「うーん、俺昔から燃費悪いからなあ」
がっくりと肩を落とすマッシュを見ると哀れっぽさが滲み出ているような気がしてくる。シャドウはマッシュを白い目で見ながら、そういえば干し肉があった事を思い出した。これを置いてさっさとこいつ等と離脱しよう。
「俺の干し肉をやる」
「!!」
バッと光の速さで顔を上げるマッシュに一瞬慄きを感じつつシャドウは干し肉を差し出した。と、物凄い速さで干し肉が消える。その量およそシャドウの胃袋に換算して3日分である。
「ありがとうシャドウ!」
「あ、ああ。俺の役目は、」
「お礼したいから一緒に来てくれ!」
「は?」
シャドウはカイエンと共にマッシュに引きずられ、バレンの滝に落ちた。
■
水にもがきながらモンスターを倒し、流れ着いた獣々原でシャドウは無残にも濡れてしまった相棒を労わるように撫でた。生憎だが拭くものが無い故、自然乾燥しかない。溺れ死ななくてよかった。
「・・・それで、お前は?」
未だに気絶したまま起き上がらないマッシュとカイエンを助け出した不思議な少年。どこか人離れしているというか、獣然としているというか、形容し難い雰囲気を纏っている。少年はシャドウの言葉に目を丸くさせ、あたふたと両手をばたつかせたかと思うとどこかへ走り去ってしまった。
「・・・なんなんだ?」
「うっ・・・うう・・・」
「ここは・・・」
タイミングよくマッシュとカイエンの意識が戻ったようだ。シャドウはため息を吐いた。
結局ナルシェまでついて行っちゃう。
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