ティナちゃんが召喚されたようです2
ゼロ魔×FF6。ルイズに召喚されたティナちゃんと、ちょっとお姉さんになってみるルイズ
ティナは何も知らなかった。子供でも知っている事を知らない彼女に、ルイズは懇切丁寧に教えた。魔法の技術はゼロかもしれないが、彼女の知識欲とその量はトップを有する。頭の回転も速いので、元から知識がある人間でもそのわかりやすい説明に感嘆を漏らすだろう。
あらかたの説明が終わり、ティナは問うた。
「・・・私はあなたの使い魔だけど、使い魔って何をするの?」
「え?・・・うーん、あのね、使い魔と主人は目と耳を共有できるの」
「共有?」
「うん」
頷きながらルイズは羊皮紙とペンを取り出した。その羊皮紙に人を二つ描き、目と耳をつけて矢印で繋げた。
「使い魔が見たものは、主人も見える。使い魔が聞いたものは主人も聞こえる。・・・逆のパターンはないみたいだけど」
「・・・なにか見える?」
「ううん。人同士だからかしら・・・後で先生に聞いてみましょう」
ルイズはそう自己解決し、人の絵の上に『使い魔は主人の目となり耳となる』と綺麗な文字で書いた。そして、絵の下にまた文字を書く。
「次に使い魔は、主人の望むものを見つけてくる」
羊皮紙にも同じような文を書き、その下に液体の入った瓶の絵や石の絵を描いた。
「例えばどんなもの?」
「秘薬かな。特定の魔法に必要なんだけど・・・」
「・・・私には無理だわ」
「そうよね・・・」
がっくりと肩を落とす。わかってはいたが、そうなると後は・・・。
「使い魔はね、主人を守る存在なの。けど私、あなたに戦えとは言わないわ」
「私、頼まれれば戦うわ。ずっと昔も私は戦っていた気がするもの・・・」
「・・・・・・駄目よ!危険だわ!」
ルイズは激しく頭(かぶり)を振った。想像したが、ティナが幻獣に倒されて死んでしまうイメージしか現れなかったのだ。羊皮紙に『使い魔は主人を守る』と書く。
「だから、そうね・・・あなたは雑用かしら」
「お掃除とか、お洗濯かしら・・・それぐらいならできるわ」
頷きながらティナはルイズの服に手をかけた。驚いたルイズが慌てて体を引く。
「な、なななによ!」
「もう寝るんでしょう。制服からパジャマに着替えましょう」
「そっ・・・」
ルイズの声がひっくり返る。
「それくらい自分で出来るわ!!」
「・・・ごめんなさい」
声を整えたルイズは、安堵の息を漏らした。必要最低限の知識はあるにしろ、ティナは常人より常識が欠けている。それも記憶喪失の一部なのか、記憶喪失になる前から常識が欠如していたのか推し量りかねるが、ルイズは少し不安を感じた。
同性のルイズから見てもティナは魅力的な女性だ。ルイズを馬鹿にする男達にもし妙なことでもされたら。そう思うとどうしようもない危機感と、守ってやらねばならないという気持ちがこみ上げる。ティナは素直だ。それはいい。けれど、その素直さが裏目に出ては困るのだ。
「ティナも着替えがあった方がいいわよね・・・」
そう呟いてから、ルイズは自分がティナを使い魔として扱っていないことに気付いた。気付いたが、改めようとはしなかった。
「うーん・・・ちょっと待っててね」
ルイズとティナの身長差は5センチほど。ティナの体格はルイズの友人であるキュルケほど凹凸の目立つものではない。なので裾の長いネグリジェならティナでも着れるだろう。本当は下着なども用意してやりたいが、同性とはいえ流石に下着まで貸すわけにはいかない。メイドに用意させてもいいが、夜も遅い。長い労働の後休んでいるメイドを起こしてまですることではないだろう。そうルイズは思った。
箪笥を漁ると、冬に着ていた裾の長いネグリジェが現れた。実家に送り返したつもりが、どうやら間違えて持ってきていたらしい。これ幸いとネグリジェを持ち上げ、ティナの体に合わせる。ぴったりだ。
「よし。寝るときはこれを着てね」
「ええ・・・ありがとう」
無表情だったが、どこか嬉しそうだった。
「じゃあ着替えましょうか」
二人は背中合わせに着替え始めた。布の擦れる音がする。羽織っていたマントを取り、シャツのボタンを外す。上から被るようにネグリジェを着てスカートを脱ぐ。ニーハイと呼ばれる靴下を脱いで、下着も取り替えた。それから洗濯用の籠に下着と靴下、シャツを放り込んだ。
ティナの方は両肩の出たミニスカートを脱ぎ、不思議な模様をした桃色のストッキングを脱いでいた。何より不思議なのはシルクのように素材の良いマントだ。触るとその肌触りの良さにルイズは驚愕した。それから、長いアッシュブロンドを縛る髪留めと耳を飾るピアスを外す。髪留めとピアスがないだけで別人だ。裾の長いフリルの沢山付いたネグリジェは、ティナの年齢には少し少女趣味だが、違和感はなかった。
「飾りはここの引き出しに入れておいたら?無いとは思うけど、誰かに侵入されて取られたりしたら困るもの。それから、下着は明日用意するから今日は我慢してね」
「ええ。・・・あの、ルイズ?」
「なぁに?」
「私、どこで寝ればいいのかしら」
盲点だった。
ティナは何も知らなかった。子供でも知っている事を知らない彼女に、ルイズは懇切丁寧に教えた。魔法の技術はゼロかもしれないが、彼女の知識欲とその量はトップを有する。頭の回転も速いので、元から知識がある人間でもそのわかりやすい説明に感嘆を漏らすだろう。
あらかたの説明が終わり、ティナは問うた。
「・・・私はあなたの使い魔だけど、使い魔って何をするの?」
「え?・・・うーん、あのね、使い魔と主人は目と耳を共有できるの」
「共有?」
「うん」
頷きながらルイズは羊皮紙とペンを取り出した。その羊皮紙に人を二つ描き、目と耳をつけて矢印で繋げた。
「使い魔が見たものは、主人も見える。使い魔が聞いたものは主人も聞こえる。・・・逆のパターンはないみたいだけど」
「・・・なにか見える?」
「ううん。人同士だからかしら・・・後で先生に聞いてみましょう」
ルイズはそう自己解決し、人の絵の上に『使い魔は主人の目となり耳となる』と綺麗な文字で書いた。そして、絵の下にまた文字を書く。
「次に使い魔は、主人の望むものを見つけてくる」
羊皮紙にも同じような文を書き、その下に液体の入った瓶の絵や石の絵を描いた。
「例えばどんなもの?」
「秘薬かな。特定の魔法に必要なんだけど・・・」
「・・・私には無理だわ」
「そうよね・・・」
がっくりと肩を落とす。わかってはいたが、そうなると後は・・・。
「使い魔はね、主人を守る存在なの。けど私、あなたに戦えとは言わないわ」
「私、頼まれれば戦うわ。ずっと昔も私は戦っていた気がするもの・・・」
「・・・・・・駄目よ!危険だわ!」
ルイズは激しく頭(かぶり)を振った。想像したが、ティナが幻獣に倒されて死んでしまうイメージしか現れなかったのだ。羊皮紙に『使い魔は主人を守る』と書く。
「だから、そうね・・・あなたは雑用かしら」
「お掃除とか、お洗濯かしら・・・それぐらいならできるわ」
頷きながらティナはルイズの服に手をかけた。驚いたルイズが慌てて体を引く。
「な、なななによ!」
「もう寝るんでしょう。制服からパジャマに着替えましょう」
「そっ・・・」
ルイズの声がひっくり返る。
「それくらい自分で出来るわ!!」
「・・・ごめんなさい」
声を整えたルイズは、安堵の息を漏らした。必要最低限の知識はあるにしろ、ティナは常人より常識が欠けている。それも記憶喪失の一部なのか、記憶喪失になる前から常識が欠如していたのか推し量りかねるが、ルイズは少し不安を感じた。
同性のルイズから見てもティナは魅力的な女性だ。ルイズを馬鹿にする男達にもし妙なことでもされたら。そう思うとどうしようもない危機感と、守ってやらねばならないという気持ちがこみ上げる。ティナは素直だ。それはいい。けれど、その素直さが裏目に出ては困るのだ。
「ティナも着替えがあった方がいいわよね・・・」
そう呟いてから、ルイズは自分がティナを使い魔として扱っていないことに気付いた。気付いたが、改めようとはしなかった。
「うーん・・・ちょっと待っててね」
ルイズとティナの身長差は5センチほど。ティナの体格はルイズの友人であるキュルケほど凹凸の目立つものではない。なので裾の長いネグリジェならティナでも着れるだろう。本当は下着なども用意してやりたいが、同性とはいえ流石に下着まで貸すわけにはいかない。メイドに用意させてもいいが、夜も遅い。長い労働の後休んでいるメイドを起こしてまですることではないだろう。そうルイズは思った。
箪笥を漁ると、冬に着ていた裾の長いネグリジェが現れた。実家に送り返したつもりが、どうやら間違えて持ってきていたらしい。これ幸いとネグリジェを持ち上げ、ティナの体に合わせる。ぴったりだ。
「よし。寝るときはこれを着てね」
「ええ・・・ありがとう」
無表情だったが、どこか嬉しそうだった。
「じゃあ着替えましょうか」
二人は背中合わせに着替え始めた。布の擦れる音がする。羽織っていたマントを取り、シャツのボタンを外す。上から被るようにネグリジェを着てスカートを脱ぐ。ニーハイと呼ばれる靴下を脱いで、下着も取り替えた。それから洗濯用の籠に下着と靴下、シャツを放り込んだ。
ティナの方は両肩の出たミニスカートを脱ぎ、不思議な模様をした桃色のストッキングを脱いでいた。何より不思議なのはシルクのように素材の良いマントだ。触るとその肌触りの良さにルイズは驚愕した。それから、長いアッシュブロンドを縛る髪留めと耳を飾るピアスを外す。髪留めとピアスがないだけで別人だ。裾の長いフリルの沢山付いたネグリジェは、ティナの年齢には少し少女趣味だが、違和感はなかった。
「飾りはここの引き出しに入れておいたら?無いとは思うけど、誰かに侵入されて取られたりしたら困るもの。それから、下着は明日用意するから今日は我慢してね」
「ええ。・・・あの、ルイズ?」
「なぁに?」
「私、どこで寝ればいいのかしら」
盲点だった。
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